研究室の日々

本研究室のさまざまな出来事を紹介します。卒業研究、あるいは修士研究に取り組みたいなぁと思った方はどうぞ見学にお越しください。

2020年度 (令和2年度)

 Professor Tatsuya Hirahara, the founder of this laboratory, is retiring today, the end of March 2021, after 15 years of dedicated work including supervision of more than 50 research students. In fact we farewelled him earlier, as he took leave well before the sakura flowers bloomed. We will do our best to keep the bar high and carry forward the research spirit!
 At the end of this academic year we also farewelled 6 students (2 Masters and 4 Bachelors) who are moving on after graduation. Congratulations, and all the best in your future endeavors!
 大変な年になった2020年度のメンバーとはお別れです。研究室を立ち上げられた平原先生も、50人以上の学生の研究を指導するなど、15年間の献身的な活動を経て、2021年3月末に退職されます。(実際には、桜の開花前にご自宅に戻られたため、一足早いお別れになってしまいました。)我々は、研究者魂を忘れずに継続して頑張っていきたいと思います。 (3月31日,モクタリ・森川)


 2021-02-25        2021-03-22        2020-04-07

本学の学位記授与式が挙行され、本研究グループの卒論生7人が学士号を、修論生2人が修士号、松永君が博士号を手にしました。 寺島君は、知能デザイン工学専攻の総代として学長より学位記を受け取り、日本音響学会北陸支部より優秀学生賞が贈呈されました。おめでとう! (3月20日,森川)





雪が降りしきる中、知能デザイン工学専攻の修士論文審査会がオンラインで開催された。 本研究室の院生2名も、この2年間の研究成果を発表するとともに質問に答えた。 (2月17日)

雨が降りしきる中、知能ロボット工学科の卒業論文審査会がオンラインで開催された。 本研究室の卒論生7名も、それぞれの到達点を発表するとともに質問に答え、この10ヶ月の決算を行った。 (2月15日)

余裕綽々の院生の修論と卒論生の卒論はずいぶん前に、余裕皆無の卒論生の卒論は本日の午前中に提出された。 今年度は、ずっと「底力」が白板に隠れたままだった… (2月8日)

卒論・修論の提出まで19時間を切った研究室。 デイスプレイに向かう諸君、寝ている諸君、実験室でPureDataのパッチを図にする諸君の姿があった。 不在者は在宅勤務かエネルギー補給か?カウントダウン時計は見あたらなかった。
 余裕綽々の院生は、薄暗い中で机に向かって何をやっているのだろうか? 修論を提出しに行ったら、受領準備ができていないという理由で、受け取ってもらえなかったらしい。 (1月28日)

すこし寒さがゆるんだ今日の午後、松永悟行君が提出した博士論文の公聴会がオンラインで開催された。 松永君は、学内外から出席した18名に対して「計算資源が限られた音声合成システムに用いる深層学習モデルの学習法 に関する研究」について発表するとともに、出席者からの質問に的確に答えた。 (1月27日)

締切日の 5 日も前に、寺島君が修士論文を書き上げた。祝着! (1月25日)

夕方、実験室でモモンガのプログラムを修正しているところに、ひょっこり、研究室 OB の岡島君が勤務先の社長とともに来訪。 一年前とちがい、ピシッとしたスーツ姿だった。 (1月22日)

Brüel & Kjær のオーディオ・アナライザ PULSE の電源供給用に、東芝ノートPC用の 15V-5A 電源アダプタを入手。 1月14日に比較したものよりもノイズの電圧は低く、ノイズパルスの周期は短い。 電圧軸と時間軸を拡大して観ると、スイッチング・ノイズの電圧は約 30 mVp-p、周期は 12 µs 弱であった。 先の 12V 汎用アダプタよりも低ノイズなので、これを使うことにした。 (1月18日)

ムササビが使っていたオシロスコープのプローブ。片方はスプラングフックがなくなり、アース・リード線は切れていた。囓られたのか?! (1月14日)

寒い朝に電源アダプタの出力電圧が低くなりPULSEが起動しないという現象、昨朝も今朝も確認した。 電源アダプタを毎朝暖めるのは面倒なので、手持ちの電源アダプタと交換することにした。純正のアダプタは 15V-4A であるが、 PULSE の入力端子には 10-32V DC とあるので、電流容量が大きなノートPC用の電源アダプタを再利用できそうだ。
 大昔に使っていた ThinkPad 用の16V-4.5Aのアダプタでも、数年前に秋月電子から購入した汎用の 12V-5A のアダプタでも PULSE は動作した。 PULSE を動作させて電流を流した状態で、アダプタの出力電圧波形をオシロで観測した。純正アダプタでも 50 mVp-p のスイッチング・ノイズがあり、 ThinkPad 用のアダプタにはスイッチング・ノイズは振幅の大きい二種のノイズがあった。 汎用12Vアダプタにも二種のスイッチング・ノイズが認められたが、それらの振幅は小さかった。 電圧は少し低いけれども、当面は低ノイズの 12V 汎用アダプタを使用することにした。 (1月14日)


ようやく雪は降り止んだが、校内は雪に埋まっている。雪に踏みこんでできた穴は青みを帯びている。 通行人がいない雪の上をキジが悠々と散歩していた。
 感心なことに、平原が指導する学生は全員登校してきた。卒論生の一人が、PULSEの電源が入らない、と来室。 電源ランプがチカチカしていて、電源アダプタの出力電圧が低いもよう。ACは100Vあった。先週の水曜日の朝にも同じようなことがあった、と言う。 冷えているからかな?しばらく通電すると、温まったのか、復活した。 ひょっとすると、この連休中には一度も使わなかったのかな?
 修羅場を経験したことがある院生は、修論の原稿を見せに来た。 (1月12日)


先週の木曜日から雪が降り続いた。日曜日には、すこしだけ青空が見えた。 (1月10日)

寒い朝。昨夜から降り続いた雪は50cmほど積もっていた。軽い雪だが、車は道路まで出せず。 雪中行軍にて研究室に辿りついた。3年ぶりの大雪だ。
 Tombe la neige. Les étudiants ne viendront pas aujourd'hui…と思っていたら、二人の卒論生は昼前に週報に来室した。 もう一人の週報は zoom で受けた。卒論の締切日までまだ三週間もあり、「今」を生きる諸君に切迫感はない。 Bad habits die hard… 一方、二年前の今ごろ行動を改めた院生は、順調に修論を書き進めている。 (1月8日)

今日は寒く、暴風雪・大雪警報が出た。
 夕方に卒論生がやってきて、完成させたマイク・プリアンプを 32ch ADC に接続したが、ある 1ch だけ音声信号が入力されない、 マルチ・チャンネルの接続ケーブルが断線しているようなので見て欲しい、とやってきた。疑われたケーブルをテスターであたると導通していた。 ラックに収まった機器の裏側を調べると当該チャンネルだけ XLR コネクタがきちんと奥まで刺さっていなかった。
 昨年末に読んだ「電子工作・自作オーディオ Tips &トラブルシューティング・ブック」にはこう書かれていた。
 初心者: まず、自分以外の何か(部品など)を疑う。
 ベテラン:まず、自分を疑う。
蓋し名言。

しばらくしたら、別の卒論生が某ヘッドホンの音響クロストーク特性を測ったので見て欲しい、とやってきた。 ようやく自分の耳でクロストーク信号を聴いてみたとも言う。このヘッドホンは、密閉型なのに音響クロストークが-30dB で、 面妖な音響クロストーク特性を示すヘッドホンだった。分解してみると、接続ケーブルには三本の細い電線しか使われていなかった。 むべなるかな。これでは電気的なクロストークが生じる。これ以外にも残念なヘッドホンがあった。
 風よ吹け!雪よ舞え! (1月7日)

夕方の実験室には、半田ゴテを握る卒論生と定位実験を行う修論生がいた。 (12月24日)

今日は PC が落とされた。座っていた椅子を後ろに動かしたときに引っかけたようだ。 元祖デストライヤーが動作確認をしたところ、無事に立ち上がった。 (12月23日)

相談があると学生が言う。Brüel & Kjær のオーディオアナライザ PULSE の電源が入らなくなったと。相談じゃぁなく報告だろう! 曰く、土曜の夕方にも同じ現象が起きたが、DC電源のコネクタを抜き差しすると動作したが、今朝はダメだったという。日曜日は使わなかったんだ。
 コネクタではなく、ケーブルを引っ張ったのであろう。コネクターの中をみると、案の定、圧着されているべき外皮が外れていた。 芯線を 5 ミリほど短くし、組み直す。 ついでに電源アダプターを探すと、棚の上のカオス状態のケーブル群の中には無く、棚の後ろ側で宙吊り状態になっていた… (12月21日)

再び、レーザー墨出し器が三脚ごと倒された。原因は同じ。使用後に放ったらかしにされ、注意を払わないヤツが足を引っかけた。 災難に遭ったのは先日と同じヤツ。災難ではなく再難。二度あることは三度ある、かもしれない。
(12月18日)

今日の研究室ゼミの最後に、先日のレーザー墨出し器の一件を話した。 そして、Confess! という発声のあと「私は○○を壊しました」という告解がいくつも続いた。
 今年度は特に、人との物理距離を取れということもあり、いろいろなことの共有が研究室員の間でなされていない。 指導する学生が3人いれば、3回同じことを個別に話さなければならない。 (12月16日)

初雪が舞った。あと2週間で冬休みだ! (12月14日)

世界には Śiva と Brahmā がいるためか、「もの」は破壊されるだけでなく創造される。 HRTF 高速計測システムで使うECM用の、8チャンネルのムササビ・マイク・プリアンプが一つできあがった。 どこかに Viṣṇu もいるので世界が維持されているのだろうか。 (12月11日)

「もの」は壊される。昨日の研究室見学の準備中にレーザー墨出し器を三脚ごと倒された。 三脚の脚のスライダーをきちんと固定していなかったために、引っかけたときに倒れてしまったようだ。 レーザー墨出し器はマイクやスピーカやダミーヘッドの位置決めに必須のもので、壊されたのは最近導入したものであった。 ガラス面にひびが入り、クロスラインとともに影が映るようになった。
 「もの」は適切に使用する、壊さないよう気をつける。そういった基本行動ができないようである。 そういえば、一昨日、別の小型レーザー墨出し器が机から落とされたのを目撃したが、それは大丈夫なのだろうか…(12月11日)

来春に研究室配属される予定である知能ロボット工学科3年生向けの研究室見学が挙行された。 研究室の学生諸君が中心になって、本研究室の研究活動の一端を紹介した。(12月10日)

音響学会誌の Q&A コーナーで「ヘリウムを吸った状態で声を出すと声が高くなっているように聞こえるのはどうしてか?」という質問の回答を書いてもらえないか、 という依頼が某編集委員からあったのは、熱暑に喘ぐ8月中旬だった。 締切りはいつか?質問の意図は何か?と訊ねると、「ありがとうございます(中略)正式な執筆依頼については事務局からお送りさせて いただければと思います」と面妖な返信が来た。「執筆依頼は事務局からお送りします」でいいのに…
 確認したいこともあり「変声カン」を Amazon に注文した。届いた缶の口を咥えてヘリウム酸素混合気体(He-O2, Heliox) を吸い込み、声を出す。コツをつかんだころには二本の缶が空になっていた。 最後の一本を使って「アーイウエオ」と繰り返し発声した音声を録音した。1~3回目の発声はヘリウム音声。 3回目の発声後に息を吸いこんだので、4回目の発声は通常の音声。 5回目は肺に残存していた Heliox が排出されたのか、再びヘリウム音声ぽくなった。
 初稿の執筆中に出てきたさまざまな疑問点を榊原・津崎・河原先生に質問し、教えていただいた。何度か用語を修正した原稿を提出したのは締切日の前日だった。 原稿を推敲していたころ、ワニのヘリウム音声の研究がイグ・ノーベル賞を受賞したというニュースが流れてきた。
  Heliox の中で発声させた九官鳥の真似声を収録したのは40数年前、その分析結果を MIT-RLE で D.H.Klatt に話したのは30数年前だったっけ。 (12月9日)

先週末にテレヘッド6号機を久々に再起動させたところ正常動作しなかった。 今朝は、FastrakのRS-232C接続問題は解消したものの、静止時にぶるぶると震えが止まらない状態だった。各部を点検していくと、各部のネジやナットが緩んでいた。 それらを締め直すと震えは止まり、頭部回転に応じて静かにキビキビと動作するようになった。テレヘッドだけではないぞ、ネジやナットが緩んでいるのは! (12月8日)

実験室が賑わっていた。いよいよ卒論活性化適温になったかと思いきや、卒論生の姿はなかった。カレンダーもあと一枚を残すだけだが… (11月30日)

これまで聴覚実験に使ってきた HD200 の後継機種である HDA300 が届いた。外見は精悍、造りは頑丈。 果たして性能や如何。最近は見かけ倒しのヤツらが多いからなぁ… (11月25日)

富山で開催する予定だった聴覚・電気音響研究会はオンライン開催となった。 平原が「聴覚系における音声と空間音の処理機序の理解を目指して」と題する講演を行い、そんな時代もあったねと、 これまで取り組んできたことを話したが、無駄話をしているうちに時間不足となり、後半は端折ってしまった。まだまだ修行が足りないと反省する次第である。
 ビギナーズセッションだったので、最後は「Young peoples be Ambitious (野望)」しかし「気をつけよう、甘い言葉と暗い道」と締めた。 (11月20日)

新品箱入りの HDA200 がひとつ、書庫の奥からでてきた。予備として保管していたことを忘れていたようである。 もう入手できない貴重なヘッドフォンは、これからも使うであろう、森川先生に託した。 (11月12日)

「もの」は壊される。15年以上さまざまな実験で利用してきたダミーヘッドを落として壊された。注意を払わないからである。 引退せよということだな。しばらくしてザ・デストロイヤーズが破片を接着し、ダミーヘッドを修復してきた。まだ引退させない、ということか… (11月10日)

頭部伝達関数の高速計測システム用の椅子が、ようやく形を成してきた。廃棄物置き場から発掘してきた古い椅子だが、まだまだ活用できる。 (11月09日)

防音室が復旧した。撤去した電線の残骸を見ると、緑色のアース線は真っ黒になり、ビニール被覆が剥がれ、電線には緑青が湧いていた。 天井に置いていた絶縁トランスには油が染み出した痕と、軟銅線が溶け落ちてできた玉があった。
 絶縁トランスを撤去して電力系を再配線した防音室は静かになった。 音響的な 120 Hz 成分の Lp は 17 dB 以上低くなり、0~10 dB の間をゆっくり変動していた。180 Hz 以上のハム雑音成分は見えなくなった。 (10月15日)

電力供給が復旧しない静寂な防音室では、暗闇の中に怪しい赤い光線が走り、院生が夜行性の摸摸具和と何かの準備をしていた。 実験室では別の院生が HMD を前に何か悩んでいた。(10月9日)

10月7日に卒論生の進捗状況発表会をオンラインで開催した。6月末の卒論構想発表から3ヶ月、その間に何をやり、 これから卒論提出期限までの4ヶ月の間にどう研究を進めるかを語ってもらうことが、進捗状況発表会の主旨である。
 いずれも順調に卒業研究が進んでいるかのような発表だったが、うわべを取り繕った発表に何の意味があろうや? これまでの失敗や現在抱えている問題を詳らかにしない発表に何の意味があろうや?
 卒論生は院生の後ろ姿を見て育つ。秋の学会で発表をした院生は二人だけだった。ゆゆしきことである。 今年は打ち上げを兼ねた反省会も開催されないので、こういったことを伝えるのも難儀する。
(10月9日)

最近、防音室内のハム雑音成分の音圧レベルが高くなっていた。480 Hz までのハム雑音成分がノイズフローアから顔を出し、120 Hz 成分の Lp は 27 dB もあった。 防音室の上に置いてある絶縁トランスが唸っているのだろうから調べてみよう、設置してから12年も経っているし、と院生の寺島君と話していた。
 今朝、防音室の上に登り、絶縁トランスが収納されている箱の蓋をとると、ムッと熱気が立ち上がった。そして、ブ~ンという唸りとパリッパリッという乾いた音が聞えてきた。 これはまずい!!絶縁トランスをバイパスできないかと、設備担当の方に来ていただいた。
 電線の被覆が硬くなってますね、熱のせいでしょう、と言いながら設備担当の方が絶縁トランス周りの電線を揺らすと、ボッと炎が立ち上がった。 ほどなく漏電ブレーカが落ちてビーと警報が鳴りはじめ、炎は消えた。配電盤のブレーカを落としていきショートしている回路を同定し、漏電ブレーカを復帰。 防音室が設置されている実験室に煙と刺激臭が充満したので、窓とドアを全開にして退避。
 午後、防音室の上に登って状況を検分をすると、電線の外皮がところどころ剥がれ落ちて銅線が露出していた。そういう部分同士がショートしたのだろう。 今年の5月12日に記した、ACアダプタの出力側電線の外皮がボロボロになっていた現象と同じである。 そのまま防音室を使い続けていたら、遠からず出火していたに違いない。くわばらくわばら… 電気は危ないものなのです。
 夕方、通電していない防音室の背景雑音スペクトルを測定した。防音室内の 120 Hz成分の Lp は20 dBに下がり、180 Hz 以上のハム雑音成分は消えていた。 しかし、どうして120 Hz 成分は残っているのだろう?防音室の周囲を見回ると、防音室の横に設置したスチール棚にサーバーPCが置かれ、そのケースがスチール棚の柱に接触していた。 その柱を触るとびりびりと振動していた。 防音室の外壁化粧板からスチール棚をすこし離すと、120 Hz 成分の Lp は 10 dB以下になった。そして、PCの電源を切ると 120 Hz 成分も消え去った。(10月6日)

朝夕はだいぶ涼しくなってきた。明日から後期が始まり、来週には卒論生の進捗状況発表会が予定されている。 しかしながら、昼下がりの研究室は疎、実験室は空だった。(9月30日)

It is getting much cooler in the morning and evening. The second semester begins tomorrow, and the B4 students' research progress presentation is scheduled for next week. However, in the late afternoon, the lab was sparsely populated and no one was in the experimental rooms. (Sept. 30th)

少し涼しくなってきたので、学生諸君の研究活動が始まる気配がある。でも、「卒論活性化適温」になるのは、まだ先のことであろう。
 長い間ほったらかしにしてあったスピーカ・アレイ・システムの更改。久々に顔を見る学生が何かごそごそとやっていた。いくつかのスピーカから音が出ないと言う。 学生は接続ケーブルの断線や、USB-AIFの不具合を疑っていたのだが、アンプの背面端子を見ると…アチャー!これでは左チャンネルの音は出ないでしょう! 同じような光景を幾度となく見るのはどうしてだろう?(9月17日)

先週の 9月9~11日に日本音響学会の秋季研究発表会がオンライン開催された。 どのセッションも、とてもスムーズに発表や討議が行われていた。さすが音にこだわりのある学会メンバー、オンラインで流れてくる音の了解度はいずれも良好だった。 本研究室の 2名の院生は、落ちついて上手な発表をしていた。
 院生が発表したセッションには100名を超える聴講者がいたし、スペシャル・セションにはもっと多数の聴講者がいた。 学会の参加者は1000名以上だった。運営を支えた実行委員会のみなさまのご努力に頭が下がる。(9月14日)

センターキャップがへこんだラウドスピーカの周波数特性を測る。 ドライバーユニットを取り出し、裏側からセンターキャップをアルミ棒で押してへこみを修復。 修復したラウドスピーカの周波数特性を測る。4.5~8 kHzの応答が上がり、18.5 kHzのディップが 10 dB 浅くなった。これでまだ使えそうだ。
 しかし、再生音を聴いてみると歪っぽい。1 kHzで音圧レベル 80数dB 以上の音を出すと、高調波以外の歪成分がわんさか出現していた。こりゃダメだ… 別の正常な同型スピーカでは、そのような歪は全く出ていなかった。
 現代人は、モノを壊すと買い換える。古代人は、壊れたモノを直そうとする。どちらがよいかは、わからない。 (8月13日)


37℃、38℃という熱暑日の後、今日はやや過ごしやすい。単なる対比効果で、外気温は33℃くらいはある。
 時は流れ、モノは壊れる。防音室で某測定をしようとして、ラウドスピーカが無残な姿になっているのに気づいた。 誰だ!センターキャップを押したのは! (8月12日)

二人の卒論生が、フルビットの 1 kHz 正弦波信号に対する USB-AIF の出力電圧を測った結果を持ってきた。 一人には14年選手の UA-101を、もう一人には10年選手の FireFace UCを使うようにと、指示しておいた。 いずれの USB-AIF も D/A 出力端子はTRSジャックで、平衡出力である。
 結果を見ていささか驚いた。UA-101 では Hot-GND 間と Cold-GND 間の電圧値はほぼ同じだったが、FireFace UC では両者に 約 1.4 V もの差があったからである。 平衡していない! まあ、平衡ラインは差動アンプで受けるから問題ないし、実験系は不平衡出力で使っているので全く問題はないのだが…、
 そこで、別の FireFace UC でも測ってみると、全ての出力チャンネルで Hot-GND 間と Cold-GND 間の電圧値に差があった。 ただし、どの出力チャンネルも Hot-Cold 間の電圧は同じであった。もちろん TotalMix の設定に間違いはない。 そこで、8年選手の FireFace UFX を持ち出して測ってみると、Hot-GND 間と Cold-GND 間の電圧値はほぼ同じで、平衡した信号が出力されていた。FireFace UC 固有の問題のようである。 (8月4日)


実験室のスピーカ・アレイの改良に取り組んでいる院生のS君が持ってきた、新品の XLR -フォーン接続ケーブルを見て仰天した。 シールド外皮の編組銅線は末端処理がエー加減でヒゲが飛び出している。半田づけはボテボテ。また、粗悪なフラックスを使用したのか、編組銅線は酸化して黒ずんでいる。 使われているケーブルもカナレの L-4E6S とは大違い。安物には、常にこのようなリスクがある。 (7月29日)

いろいろなモノが壊れる。BNC-RCA変換コネクタをつけた太く重たいケーブルが挿されたアンプのRCA入力端子は、重力より傾いている。 実験用ヘッドホンのハウジングについていたゴムプッシュは、いつの間にか姿を消している。防音室の中は使った機器がほったらかされ、エントロピーの増大は止まらない。 誰一人としてこういったことを気にしないことが問題だとおもう。 (7月8日)

マスク姿の学生諸君が実験室や研究室を徘徊している。髪型と眼と服装しか手がかりがないと、 声を聴くまで誰だかわからない。特に、髪型を変えた場合は、誰だろう?となる。 (7月2日)

6月16日に院生の研究構想発表会の第二弾を、6月23日に卒論生の研究構想発表会の第一弾をオンラインで開催。 先輩や指導教員とよく相談し、指導教員の意見は無視しないほうがよいでしょう。 例年のように打ち上げも開催できず、宴会担当の院生は手持ち無沙汰。 COVID-19 ウイルスが消え失せたわけでも退治されたわけでもござらぬ。おのおのがた、ゆめゆめ油断召さるな! (6月26日)

6月9日に、院生の研究構想発表会の第一弾をオンラインで開催。指導教員と相談の上、よぉく計画を練ったほうがよいでしょう。 その後、SpatialChat を用いて茶会を開催。いろいろなオンライン・コミュニケーション・ツールがあるが、改善の余地も多々あるように思う。
 研究室は徐々に活気が戻ってきている。しか~し油断大敵。病魔鎮静につながる基本的な行動は必要でしょう。 (6月12日)

学生の学内立ち入り禁止令が解除されて一週間。少しずつ研究室にも学生が来るようになった。 先週末にオンライン開催された「音学シンポジウム」には、4名の院生と森川、モクタリ先生が参加。変装姿で発表した院生の寺島君曰く、 発表に対する反応が見えず、ウケたのかどうかがわからず残念でした。変装姿で実験室に入っていった。 (6月8日)

この3月に卒業した吉田君がひょっこりとやってきた。張り切って仕事をしている様子だった。電験の資格が業務上必要なので、院生に問題集を借りに来たとのこと。 研究室にいた学生は一人だけだった。 (6月3日)

約二ヶ月ぶりに学生の学内立ち入り禁止令が解除された。しかし、久々に灯りが点いた研究室には二人しか学生の姿はなく、一人は机に突っ伏して寝ていた。 (6月1日)

The restriction on students' access to the campus has been lifted after almost two months.. There were, however, only two students in the lab in the afternoon. One of them was asleep, slumped against the desk.

5/26 に第 4 回目の研究室ゼミをオンライン開催。本日の午前中は指導学生との zoom ミーティング。座り疲れたので、3時過ぎにキャンパス内の散歩に出かける。 気温は高いが、空は青く風は心地よい。白い半月が青空に浮かんでいた。
 周囲が開けたところを歩いていると、パタパタというヘリコプターの音が聞えてきた。空を見上げると、後方からこちらに向かっている機影を発見。 そこで、前を向き、目を閉じて、手で音像を追尾してみた。前方の仰角30度方向に聴こえたときに目を開けると、手が指す先に機影はなかった。 どこだろう?と探すと、もっと上方、仰角60度くらいのところを飛んでいた。上空から地上まで音が届くのに時間がかかるから、機影は音像よりも前方にあると思ったのに。 地面の反射のせいかなぁ…
 そんなことを考えながら散歩を続けた。キャンパスは静けさに包まれていて、オフィスに戻るまで、誰にも出会わなかった。 (5月29日)

We had the fourth lab seminar via online on May 26th. I had zoom meetings with my students this morning. Tired of sitting at my desk, I went for a walk around campus around three o'clock. It was a bit warm, but the cool wind under the blue sky was pleasant. A white half-moon hovered in the blue sky.
  As I walked along the open field road, I heard the sound of a helicopter pattering. I looked up into the sky and found a helicopter heading towards me from behind. So I turned forward, closed my eyes, and tried to track the sound image of the helicopter with my arm. When I eventually opened my eyes after hearing the sound image at 30 degrees elevation ahead of me, I could not see the helicopter in the direction my hand was pointing. Where was it? I found it flying at a higher elevation, at about 60 degrees. Since the speed of sound is slower than that of light, I expected to see the helicopter ahead of its sound image, but it wasn't. Could it be because of the reflection from the ground?
  I continued to walk, wondering what was the cause of the perceptual phenomenon I just encountered. The campus was quiet. I did not encounter anybody during my walk. (May 29th)

5/19 に第 3 回目の研究室ゼミをオンライン開催。皆元気な様子だった。
 例年のこの時期、本研究室に配属されたB4は卒論導入課題に取り組む。課題は、1. 各自が出せる最も低い声と最も高い声の基本周波数と、各自が出せる最も低い口笛とと最も高い口笛の周波数の測定、 2. ラウドスピーカの周波数特性とインピーダンス特性の測定、3. 磁気モーションセンサによる手の運動軌跡の測定、4. 最小可聴閾値の測定 である。
 今年は登校禁止になっているために、学生諸君はこれらの課題に取り組むことができない。そこで、課題1を実行するための、リアルタイム録音を含めた MATLAB GUI の作成に 在宅で取り組んでもらっている。課題を学生にやらせるだけにはいかないので、先週末に自分でもコードを書いた。細部を詰めるのに少々時間がかかったが、時間逆転再生と話速変換機能も組みこんだものが完成。
 口笛の音はほぼ純音で、二次高調波成分のレベルは基本波の -40 dB 程度だった。口笛を吹けた周波数範囲は 560 Hz から 2.1 kHz まで 2 oct. 弱だった。 また、口笛の最大音圧レベルは 1 m の距離で 90 dB もあった。(5月21日)

We had the third lab seminar via online on May 19th. Everyone seemed to be fine.
  Every year around this time, B4 students assigned to our lab work on introductory tasks in preparation for starting their graduation research. The tasks are to measure 1. the highest and lowest pitch frequencies of one's own voice and the highest and lowest frequencies of one's own whistle; 2. the frequency and impedance characteristics of a loudspeaker; 3. the three-dimensional hand movements using a magnetic motion sensor; and 4. the minimum audible threshold. This year, students are unable to do these tasks because they are not allowed to come to campus due to the spread of COVID-19. Therefore, we have asked students to work on developing a MATLAB GUI that includes real-time recording to execute Task 1 at home. I couldn't just let students do the task, so I wrote some code by myself last weekend. It took some time to fix bugs, but the GUI is now completed.
  A whistling sound is almost a pure tone. The level of the second harmonic component was 40 dB lower than the level of the fundamental. The range of frequencies at which I could whistle was a bit under two octaves, from 560 Hz to 2.13 kHz. The maximum sound pressure level of my whistling sound was as high as 90 dB at a distance of 1 m. (May 21st)

本日も研究室ゼミをオンライン開催。皆元気に STAYing at HOME していた。
 先週末、携帯FMラジオを久しぶりに使おうとしたときに、ACアダプタの電線がボロボロになっていることに気づいた。金鋸でACアダプタを分解してみると、 コードブッシュの両側で電線の被覆が剥がれて、銅線がむき出しになっていた。可塑剤の移行が原因ではないか、と老賢者に教えていただいた。
 これは、某社製の携帯ラジオ用の6 V 300 mAのACアダプタで、12年前に入手したものである。電線の寿命は20年以上あると思っていたのだが…。 某社は有名な日本メーカだが、ACアダプタのラベルには、それが某国製であると表示されていた。そのまま使っていたら、発火したり、ブレーカが落ちたりするところだった。 もちろん、ただちに廃棄した。幸いなことに、家にある他の機器では、このような欠陥は見つからなかった。(5月12日)

We had an online lab seminar today. Everyone seemed to be fine, staying at home.
  Last weekend I tried to turn on a portable FM radio that I hadn't used for a while, and I found that its AC adapter's wires were tattered. Disassembling the AC adapter with a hacksaw, I found that the wire sheath had peeled off on both sides of the cord bush, leaving the copper wire bare. A wise old man taught me that the phenomenon was due to the migration of the plasticizer.
  It was a 6 V, 300 mA AC adapter for the portable radio, which I got 12 years ago. It was my understanding that the life of an electrical wire should be over 20 years. The radio is a product of a well-known Japanese company, but the label on the AC adapter indicated that it was made in a certain country. If I had used it without knowing the deterioration of the wires, it would have ignited or tripped a circuit breaker. Of course, I dumped it immediately. Fortunately, no such flaws were found on any other equipment in my home. (May 12th)

オンラインで研究室ゼミを開催。皆、元気そうでした。 キャンパス内に人影はなく、青空の下、風音だけが聴こえる。(4月28日)

We held an online Lab seminar this afternoon. Everyone seemed to be doing well, staying at home. There is no sign of people in the campus. Only the sound of the wind is heard in the beautiful blue sky. (April 28th)

今日も冷たい雨が降っている。第1回目の遠隔講義は無事に終了。
 昨日、研究室に来られない某院生から、「某計測をしていただけないでしょうか」という依頼が届いた。 院生ともなれば、指導教員を遠隔操作する術を修得しているようである。遠隔講義の準備にも飽きてきたところだったので、 午後からその計測を行い、夕方にデータを送った。(4月22日)

Cold rain is falling again today. The first tele-lecture was successfully conducted. Yesterday, a grad student who couldn't come to the lab sent me an email saying, "Could you perform some measurements?" He seems to have mastered the art of remotely controlling his supervisor. I was just getting bored of preparing for the tele-lecture, so I spent the afternoon performing the requested measurements and sent him the measured data in the evening. It was fun. (April 22nd)

外は春の嵐。冷たい雨が満開の桜を打っている。学内は学生の立ち入りが禁止となった。 廊下は昼なお暗く、教員室の灯りだけがともっている。(4月13日)

A spring storm is blowing outside. Cold rain is beating down on the cherry blossoms. The campus is now off-limits to students to prevent the spread of COVID-19. The corridor is dark even in the daytime, yet only the lights in the professors' office are on. (April 13th)

卒論生の研究室配属調整がオンラインで行われ、8名の卒論生が本研究室のメンバーに加わった。(4月10日)

Eight students have joined our laboratory for graduation research. This year's lab allocation for 4th-year students was coordinated online. (April 10th)

静まりかえったキャンパスに咲く桜たち。その命の短さを知ってか知らでか、春を謳歌している。 私たちは春の中で、わからないものに苛立っている…
(4月8日)

The cherry blossoms on the quiet campas are enjoying spring knowingly or unknowingly how short their lives are. We are together in the spring, and are frustrated at uncertain things. (April 8th)

桜が咲き始めた。北陸にも春が訪れ、新年度が始まった。しかしながら、本日予定されていた卒論生の研究室配属は延期された。コロナウイルスの拡散を防ぐためである。 前期の開始も二週間延期となった。(4月3日)

The cherry blossoms are starting to bloom. Spring has come to the Hokuriku region, and the new academic year has begun. The allocation of 4th-year students to each lab scheduled for today, however, has been postponed to prevent the spread of COVID-19. The start of the first semester has also been postponed by two weeks. (April 3rd)

本研究室のホームページを学科のサーバーに移行する準備を進めています。
移行先は https://isd.pu-toyama.ac.jp/~auris/index.html です。
 URL 中の isd は、所属する学科の旧名称である、知能デザイン工学科 (Department of Intelligent Systems Design Engineering) の頭文字です。(4月1日)

We are preparing to migrate our lab's website to the department's server. The new URL will be https://isd.pu-toyama.ac.jp/~auris/index.html . The "isd" stands for Intelligent Systems Design, which is the former name of the department to which our lab belongs.
(April 1st)