
私たちを取り囲む
「音」の正体に挑む

私たちを取り囲む
「音」の正体に挑む
私たちは、実にたくさんの音に囲まれて生活をしています。そんな「音」の謎を解明し、ヒトが音をどう「知覚」しているのかを解明するのが私の研究テーマです。
特に、立体音の知覚に関する研究にフォーカスしています。ヘッドフォンをつけて音を聴くと、一般的なコンテンツは頭の中の左右方向でしか音は鳴りませんが、実生活で外に出ると、いろんな方向から聴こえていますよね。前や後ろから、上から、下からも聴こえてきます。そんな立体音を再現すべく、研究に取り組んでいます。バーチャル・リアリティ・システムなどでより良い音を出せたり、より聴き取りやすい補聴器の開発など、色々な場面で貢献できる研究です。
きっかけは、富山県立大の学部3年だったとき、配属されたゼミが音関連の恩師のところでした。映画鑑賞が好きだったこともあり立体音響に興味を持ち、そのままその研究室に配属を希望しました。
現在私の研究室では、聴覚の情報処理の仕組みを明らかにし、その仕組みを利用した新しい技術を開発するために、音響工学技術と音響計測技術と心理物理実験とを組み合わせた研究プロジェクトを進めています。
たとえば人体の頭のようなモデルの耳にマイクをつけて、周囲を囲んだ複数のスピーカーから音を出し、どのように聴こえているかデータを取る実験も行っています。3Dプリンタで頭を作っているのですが、研究室には実験に使った頭のモデルがたくさんありますよ。
研究していて良かったと思う瞬間は、仮説に基づいて実験して、予想通りに結果が出たときですね。逆に、全然関係のない結果がぽっと出てくるときもあり、「これは一体何なんだろう?」と思いますが、それも面白いと思う瞬間です。もちろん、良い結果が出ず、結果をどう解釈してよいかもわからなく、どうにも使いようがないときもありますが。それも含めて、研究生活は楽しいものです。
休みの日は、子供が小さいので家族で過ごすことが多いですね。元々の趣味は映画鑑賞、スキー、演劇鑑賞、ビリヤード 旅行などがありますが、今は趣味はストップしています。
誰も知らないことを見つけてみたい人や、色々なことに多面的に興味を持てる人はぜひ来て下さい。どれか一つにアタックしてみて、出てきた結果を見ながら、他のことも考えながら、進められるような人もいいですね。行動力があり、フットワークが軽い人も向いていると思います。音に興味がある人も、もちろん歓迎します。
成績が必ずしもトップではなくても、何か自分のテーマがあれば、研究を大いに楽しむことができます。私自身、学部での成績は中の下のあたりでしたが、好きなことを研究し続けた結果、母校で今の仕事に就いています。好きが高じて動き回っていたこと、運が良かったことが要因だと考えます。 皆さんにもぜひ、好きなことに関する良い出会いがあるよう動き回ってほしい。その一部が私の研究と重なるなら、一緒に楽しみましょう。