富山県立大学情報工学部知能ロボット工学科

アルマスリ アハメド

ロボットで、
人を幸せにしよう

機能ロボティクス講座助教アルマスリ アハメド

世界を巡り、富山から未来を形づくる

私はパレスチナで大学を卒業後、マレーシアと日本でそれぞれ博士号を取得し、2023年から富山で研究を続けています。現在、リハビリテーションを支援するウェアラブルセンサーやロボット手袋の開発をしています。腕に装着して筋肉の疲労度をチェックするEMGセンサーや、たとえばテニスボールを掴むなど、手の動きをサポートするロボットの技術ですね。私たちが目指しているのは、単なる研究室の中のデータにとどまらず、人々の生活を実際に便利にする道具やプロトタイプを形にすることです。

AIでかなえる自宅リハビリ

今や、AIや機械学習はなくてはならない技術です。研究では、まずセンサーから集めた膨大なデータをAIに学習させます。そうすることで、特定の人だけでなく、どんな人でも使いこなせるシステムを作ることができます。日本は現在、高齢化が進む一方で、医師や理学療法士の不足という課題を抱えています。そこでAIや支援機器を活用し、将来的には患者さんが自宅でリハビリを行い、そのデータをクラウド経由で病院が遠隔で見守るシステムの実現を目指しています。手足が不自由な方でも、VRやAIを組み合わせたシステムによって意欲や満足度が高まり、結果としてQoL(生活の質)の向上につながっていくのです。

失敗を乗り越え、使える技術を模索する

もちろん、研究の道のりは決して平坦ではありません。実験は何度も失敗しますし、欧米の最新論文を調べ直して実験を再定義するなど、家にいる時も常に考え続ける必要があります。それでも、予想外の壁を乗り越えて実際に人々が使える装置として完成した瞬間や、家族と一緒に公園などへ出かけてリフレッシュする時間は、私にとって大切な原動力となっています。医療分野だけでなく、農業、工場での人間とロボットの相互作用、さらにはスポーツなど、福祉技術の応用範囲は無限に広がっていると考えます。/p>

大きな大きなビジョンを描こう

これから研究の世界に飛び込もうと考えている皆さんには、ぜひ「社会の課題をどう解決するか」という大きな視点を持ってほしいと伝えています。単に資格や学位のためだけでなく、自分の研究が社会の役に立っているという実感を味わえるのは、この仕事の何よりの醍醐味です。医療や福祉の技術に興味があり、強い意欲を持った学生さんであれば、専門知識がなくても大歓迎です。世界中の仲間たちと協力しながら、より良い社会の未来を一緒に作っていきましょう。