澤井 圭
人間が行けない難所でロボットが活躍
移動ロボットの遠隔操作について研究をしています。遠隔操作によって、人間が行けない場所にロボットを行かせたり、人間ができない作業をさせたりできます。たとえば、レスキュー隊員の代わりに危険な場所で活動させれば、二次災害リスクを軽減し、災害からの復興が早くなります。「遠隔操作」という言葉は、映画や漫画などでよく聞かれますが、まだまだ完成された技術ではありません。ロボットの機能を十分に活用できないという事例が少なくありませんから、まだまだ研究の余地は大いにあります。またハードウェアとソフトウェアの双方の技術による、ものづくりやシステム開発の研究もおこなっています。
日本の農業をがっちり支えるロボット
最近では、どんな場所や環境でも自由に操作できる農業ロボットの開発も始めました。これまで無人で畑を耕すものや、収穫するものはありましたが、その中間の育成作業を手伝うロボットはありませんでした。そうしたものを開発して、社会に貢献していこうと思っています。共同研究者や学生さんと一緒に議論をすることや、ものづくりをするのは楽しいものです。特に長い間、議論してきたことが形になったときは、研究を続けていて良かったなと思います。中には、課題を解決するために、あまり得意でないことや、好きでないことをやらなければならない場面もあります。そういうときは「あぁ……」とため息が出てしまいますが、ただやってみると楽しくなってくるので不思議です。
日々を楽しみながらモノづくりと向き合う
私は小さい頃から工具が大好きで、よくメカをいじっていました。都会だと電子部品屋さんはありますが、田舎にはないんです。なので、自分でビデオデッキを分解して、また組み立てる、なんて遊びをよくやっていました。今思えば、あの頃の興味が今の研究に息づいているのだと思います。休みの日は電子工作をしたりしますが、映画鑑賞や読書、温泉・サウナに行くことなどして楽しんでいます。富山はサウナがとても充実しています。家族で過ごすのも楽しい時間です。プロレス・格闘技観戦をするのも趣味の一つです。コロナ禍以前は,海外旅行に行くのも好きでした。
ネットワーク・ロボティクスを学べるレアな大学
私が専門のネットワーク・ロボティクスは、日本で学べる大学はそう多くありません。ロボットならロボット、ネットワークならネットワークとたいていは別々になっており、両方一緒に学べる大学は貴重だと考えています。ものづくりをしたり、新しいことを考え出すのが好きな学生さんはぜひいらしてください。若いうちは興味関心が移り変わっていくのが当たり前ですから、なかなか好きなことを決めるのは難しいかもしれません。しかし本学科では、幅広い技術体系の中から興味のある分野を選んで学べるので、やりたいことに辿り着きやすいと思います。