高野 博史

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人を支援する。人を守る。

 高校生までは何がしたいかもはっきりしていませんでした。宇宙に興味がある一方、先生にもなりたいとも思っていました。大学の学部選択も悩みましたが、 大学に入ると幸運なことに、やりたいことに出会えました。研究室に入ってからは工学部だけれども、理学系に近い研究を行なうように。宇宙空間に発生する自 然電波の発生メカニズムやその発生領域を明らかにする研究です。現在の研究テーマとは全く異なります。
元々はサイエンスを楽しんでいました。それを仕事とする時に、少しでも社会に還元できることを、と思ったんです。また、面白いことができたらいいとも考えていました。面白いことができて、それが人の役に立つのならばそれが一番いいんです。
「コンピュータ等を用いて人を支援する。人を守る。」
そういったシステム開発に関する研究に、現在は取り組んでいます。

 

 

遠隔支援システム

~目で操作する非接触型入力装置~

takano_img004 これは話せない人や身体を動かせない人が、自分の意思を伝えることを助けるための装置です。自分の伝えたい要求が登録されていて、カメラで顔の中にある 目の位置を認識。目で操作し、要求を選択していきます。例えば、患者さん側とナースステーションや介護者側の意思の伝達。介護者や看護師がそばにいなくて も意思を伝えることができます。
脊髄損傷やALS等で身体が全く動かない方を対象にしているので、眼球の動きだけでも読み取ることができます。首が少しでも動く方であれば、精度はもっと高くなります。
また、目の瞳孔の情報を使って意思や感情を読み取る研究にも取り組んでいます。これが可能になれば、例えば患者さんが不快な思いをしているということが 推定できるようになるのです。中々機会は少ないですが、実際に使っていただくと、自分たちが思っている以上に「ここはこうしてほしい」との意見が出てきま す。

 

 

虹彩および顔による個人認証システム

takano_img001~リアルタイム瞬き検出の居眠り疲労警報装置への応用~

 テロをきっかけに世の中に広まった生体認証。生体情報を使った個人認証の需要も出てきました。研究室では虹彩を使った認証や、偽造物の検知、識別の研究 をおこなっています。対面であれば、人が顔を見て個人を確認していることも、できないケースが現在の世の中には溢れています。本人確認をしてからサービス を提供する。そこで、バイオメトリクスが重要になってきます。スマートフォンの指紋認証や銀行の静脈認証などがあげられます。
今後は瞳孔で人の感情を捉える研究に力をいれていきたいと思っています。ものを見ると生体情報から、その人の趣味がわかる。興味を持った瞬間をキャッチ する。脳波等いろいろな方法はありますが、それをなるべく何も付けない状態でやりたいですね。少しでも役に立つものを作りたいという思いがあります。実際 にどんどん使ってもらって、使いやすさを向上させる。サポートするユーザーに優しいシステムを開発していきたいと考えています。

 

 

感動をつくりだす研究をしつづけるということ。

takano_img003 学生たちには、自分が作ったものを「自分が作ったけどスゴイ!!」と思ってもらいたい。それが感動だと思うんです。評価するのは第三者ですけれども、開 発者の喜びを感じてほしい。まだ何もない状態から自分で作り出す。研究を通して感動するような体験をさせてあげたいと、いつも思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【プロフィール】

1996.3金沢大学工学部電気情報工学科卒業、1998.3金沢大学大学院工学研究科電気情報工学専攻修士課程修了、2002.3金沢大学大学院自然科 学研究科数理情報科学専攻博士課程修了、2002.4金沢大学大学院自然科学研究科教務職員、2003.4富山県立大学工学部助手、2007.4同大学助教、2008.4同大学講師、2015.4同大学准教授



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